かつて、ED(勃起不全)は中高年の男性で発症しやすい性機能障害だと思われていました。
しかし、最近では若い男性でもEDを発症する人が増えており、日本の成人男性の4人に1人がEDを発症しているといわれています。
EDとひとくちで言ってもただ単に勃起が起こらないという症状だけでなく、勃起が続かない、十分に硬くならないといったこともあります。
こちらでは、EDがどのような性機能障害であるかを具体的に説明していきたいと思います。
ED(勃起不全)とは?
EDとは“Erectile Dysfunction”の略語で、日本語では勃起不全あるいは勃起障害と訳されています。
ひと昔前は「インポテンス」と呼ばれていたのですが、これには「不能」という意味合いが含まれていたため、「ED」という呼び名が広まったのです。
日本泌尿器科学会によると、EDは「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。
ED患者の人口
欧米7カ国の50~80歳の男性12,815名を調査した結果、EDの有病率は50歳代で30.1%、60歳代で51.1%、70歳代で75.6%の有病率であり、国家間の差はなかったとされています(参照:ED診療ガイドライン[第3版])。
EDを発症する人は、加齢によって増加していく傾向にあることがわかります。
1998年に実施された国内のED誘発率に関する調査をご覧ください:
ここでは、「時々性交ができない」ED患者を「中等度ED」、「勃起が起こらないため性交ができない」人を「完全ED」とカテゴライズしています。
この調査でもやはり、年齢があがるにつれてED有病率が高くなっていく傾向にあることがわかります。
EDの原因
勃起障害が起きる原因は、大きくわけて3パターンあります。
器質性ED
器質性EDとは病気やけがなど身体になんらかの問題があることで起こるEDです。
血管や神経が障害を受けることで勃起に問題が生じます。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかっていると併発しやすいとされており、ある調査によると糖尿病患者のED発症率は80.9%、高血圧患者のED発症率が66.7%、脂質異常症患者では64.7%の割合でEDを発症するそうです。
勃起が正常に起こるには、神経が重要な役割を果たしているのですが、神経系の病気を抱えている場合に、勃起のメカニズムに障害が起こってEDになることもあるのです。
脳出血や脳腫瘍、脳外傷、パーキンソン病などの疾患が代表的なものです。
また、手術や外傷によって陰茎周辺の血管や神経が傷つけられることでEDを発症するケースも確認されています。
加齢やストレス、喫煙、飲酒の影響で男性ホルモンのテストステロンが低下(内部分泌機能低下)すると、EDを患うリスクが高まるとも言われています。
心因性ED
心因性EDとは、心理的・精神的な要因で起こるタイプのEDで、特に20代に多くみられます。
不安やストレスを抱え過ぎていると、性欲が起こりにくく、勃起も難しくなってしまいます。
焦りやトラウマなどでもEDになることが多く、「今日も勃たなかったらどうしよう」といったプレッシャーから勃起が起こりづらくなることがあります。
妊活中に旦那のペニスが勃たないという悩みを抱える女性は少なくないのですが、これは男性側が妊活するために頑張らなければいけないといったプレッシャーを抱えているためだと思われます。
また、過去にセックスで失敗した経験を持つ男性なら、それがトラウマとなってセックスする際に緊張して勃起に至らないといったこともあるかもしれません。
混合性ED
混合性EDは器質性EDと心因性EDが合わさったタイプです。
病気になってしまい、そのストレスや疲労などから心理的なダメージも負ってしまったときになりやすいEDです。
EDの治療法
病院では簡単な問診をした後に心臓などに異常がないか診察を行います。
問題ないと診断されれば、内服のED治療薬によるED治療が開始されます。
内服のED治療薬では、現在病院やクリニックで処方されているのは下記の3種類です:
・バイアグラ
・レビトラ
・シアリス
それぞれ有効成分は異なりますが、陰茎周辺の血流をよくして勃起力をアップさせるという作用は同じです。
内服薬で改善が見られない場合は、下記の方法を用いることがあります:
・陰圧式勃起補助具
・陰茎海綿体注射
・陰茎プロステーシス
なお、ED治療は自由診療にあたるので、健康保険が適用されません。
よって、治療を受けるとなると高い医療費がかかると思っておいた方が良いでしょう。
上記でご紹介したED治療薬は個人輸入で購入することも可能で、その場合は医師の処方箋が必要なく病院と比較して格安で購入することができます。